以前手放しますとブログにも書いた重箱ですが、まだ手元にあります。
いっぱいいっぱい向き合って、それでも手放す気持ちが変わらなかった重箱。全国の骨董品屋さんに問い合わせをしていくつかのお店にメール査定をしてもらいましたが、開いた口がしばらく塞がらないほど値段がつかず、困ってしまいました。
今この手の重箱を輪島で買ったら50万くらいすると思うのに、査定額は1万円にも満たず・・・。モノの値段って何なのかな?と考えさせられています。
買い手がいないモノはお店も買い取れないのだから、仕方ないのでしょうね。重箱は需要が少ないため、高級な輪島塗とはいえ、お値段がつけられないのが現状のようです。
美品なので相応の値段が付くと思い込み、あわよくば、欲しいな〜と思っている別の輪島の重箱(20万)が買えたらいいなと甘く見ていたのですが、とんでもなかったです。
でも片づけでときめかなかったのは事実。ときめきコンサルタントの中根千詠先生にも相談してみましたが、「ときめかなかったモノは、期限をつけて手放すのが大事」と。私もそう思います。いつまでに手放すか決めて、それまでにしっかり向き合って答えを決める。思い入れの強いモノこそ、そこが求められると実感しています。
これだけ向き合うのが苦しいモノとこうして向き合えているのは、これまで整理を頑張ってきた証。思い出品クラスのモノにも見切りをつけられるようになった自分に成長したことだと思います。
思い起こせば、お嫁入りする時に母からこの重箱を渡された時、正直全然ときめかなかったことを思い出しました。
・デザインが好みじゃない
・サイズが大きすぎる
・親の想いが重い
そう感じていたなと。
そして今改めて向き合ってみてもその想いは変わらず、さらに
・もう少し小さくて浅い重箱が使い易い
・押入れの場所を取りすぎる。
・台は要らない(台付きの重箱なのです)
・重箱は押入れではなく、キッチンの中にしまい、いつでも気軽に使いたい
と思うのです。
そこに気づかせてくれた重箱さん、ありがとうです。
この重箱に興味がある、欲しいと言ってくれる方もいましたが、これだけ高価なものを簡単にあげることは難しいし、受け取っていただく方ももらいにくいのではないかと思います。
私の中にも、何か気持ちの中でストンと落ちる形が見つからないと手放せず、まだモヤモヤっとしています。
重箱さんにたいわしてみてもうまく聞き取れないので、友達の力を借りて聞いてもらうと、「もう一度使って欲しい」とのことでした。
たしかに、今年の1月に使って以来ずっとしまってあり、手放すと決めてからも1度も使っていなかったので、手放すと決めた上でもう一度使い、感じてみることにしました。
ちらし寿司を入れてました。
おはぎを入れてみました。
輪島塗の良さ、本物の素晴らしさ、重箱の魅力。などなど、いまここにあるこの子を十分に味わってみました。
プラスチックにはない重み、漆の輝き、沈金の美しさ。
食べ物を入れた時の映え方、におい移りのしない質の良さ、丈夫さ。
輪島塗を使わなかったら気づけなかったこの感触。
私の元に来てくれたから味わえたこと、ありがたいなと感謝でいっぱいになりました。
そのことに気づけたら、もう無くてもいいなと思えました。
今度骨董品屋さんに査定に来ていただいて、いろいろお話ししてみようと思います。
この重箱が欲しいと言ってくれているお知り合いの方にも見に来ていただき、感想を聞いてみようと思います。
そういう1つ1つの行動をしてみて感じることで、最終的に最良の手放し方が決まると思います。
手間はかかるけど、焦らず、丁寧にやってみようと思います。